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目の中に赤いできものがある

目の中のできもので考えられる疾患


翼状片(よくじょうへん)

翼状片とは

翼状片とは、白目の表面を覆っている結膜の細胞が異常繁殖を起こすことで、目頭の方から黒目に向かって三角の形状したものが伸びて来る疾患です。
はっきりとした原因はわかっていませんが、紫外線によって目が損傷することが起因しているのではないかと考えられています。
翼状片は良性疾患ですので、放置しておりてもそのまま自然治癒するため特に問題がありません。
ただし、翼状片が拡大して見た目が気になるという方は、治療・手術によって改善することができます。

翼状片の症状

翼状片の原因

翼状片のはっきりとした原因はわかっていませんが、紫外線によって目が損傷することが起因しているのではないかと考えられています。
その他としては、埃やコンタクトレンズによる刺激、乾燥なども関わっているのではないかと言われています。
翼状片は、一般的にご高齢の方に多く見られます。

翼状片の治療

手術

翼状片を除去したい場合は、手術によって翼状片を切除した後、他の部位の結膜を移植します。
手術は、軽度なものであれば30分程度で終わります。翼状片の手術をご希望の際には、当院と連携している病院をご紹介いたします。

点眼

初期症状では見た目が気になるだけで、特に問題はございませんが、症状が進行すると目の異物感や充血などの症状が現れるようになります。 これら症状を抑えるためには、点眼による治療を行います。
ただし、この治療法はあくまで症状を抑制することが目的であり、翼状片そのものを縮小する効果などはありません。

翼状片の手術を考える目安

初期症状は見た目が気になるだけですので、目立った自覚症状は現れません。
ただし、症状が進行して翼状片が拡大し、目がゴロゴロする、目が充血しているなどの自覚症状が現れた際には、手術による翼状片の除去を検討します。
翼状片は手術を行うタイミングを図ることが大切で、翼状片が大きい方や、若年層の方などは手術後の再発率が高いため、どの段階で手術を行うかは、よく検討する必要があります。


瞼裂斑(けんれつはん)

瞼裂斑とは

瞼裂斑とは、白目の表面に黄白色の丸く小さな盛り上がりができる疾患で、コラーゲン繊維の異常によって発症すると言われています。
原因は、紫外線や加齢、コンタクトレンズ装用などが考えられています。黒目の横の部分(時計で言うと3時方向と9時方向)に生まれるのが一般的です。なお、特に治療の必要はありません。

瞼裂斑の症状

瞼裂斑は特に自覚症状はありませんが、まれに瞼裂斑炎という炎症を起こすことがあります。発症すると、白目が赤くなったり、目がゴロゴロするなどの異物感を起こします。
周囲が赤くなると瞼裂斑が以前より目立つようになりますが、瞼裂斑自体が大きくなったわけではありません。

瞼裂斑の治療

瞼裂斑炎の主な治療法としては、弱いステロイドの点眼を行います。治療を開始すれば、通常は1~2週間程度で改善します。
なお、コンタクトレンズは炎症を悪化させるため、治療中は装用を中止するようにしましょう。

瞼裂斑の進行予防

紫外線は目に悪影響を及ぼしますので、避けることで予防につながります。外出の際には、つばの大きい帽子をかぶったり、サングラスをかけるようにしましょう。
また、乾燥も目には良くないため、目薬を適度に使用したり、乾燥に強いコンタクトレンズに変更することも検討してもよいでしょう。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。


内麦粒腫

内麦粒腫とは

内麦粒腫とは、まぶたの内側にできたものもらいのことです。感染した場所により外麦粒腫と内麦粒腫に分けられます。
原因は、まぶたにある涙や汗の分泌腺や毛穴から細菌が感染することで、症状を引き起こします。

内麦粒腫の症状

内麦粒腫を発症すると、まぶたの一部が赤く腫れて軽度の痛みやかゆみを伴うようになります。炎症が強まると、赤み・腫れ・痛みも強くなります。
また、感染箇所が化膿を起こすと、腫れた部分が自然に破れて膿が出ることがあります。
自然に排膿されれば、その後、症状は回復に向かいます。

内麦粒腫の治療

内麦粒腫の治療には、抗生物質の点眼や内服を行います。ただし、化膿進行している場合は、切開して排膿することもあります。
感染箇所は、汚い手で目を触れたりこすったりしないよう、注意が必要です。


眼窩蜂窩織炎

眼窩蜂窩織炎とは

眼窩蜂窩織炎とは、眼球がおさまっている頭蓋骨くぼみに細菌が侵入し、眼球の奥や周囲が化膿した状態の疾患です。
原因は、副鼻腔炎などの耳鼻科の病気や、虫歯などの炎症が目の奥にまで広がって発症するとされています。

眼窩蜂窩織炎の症状

眼窩蜂窩織炎を発症すると、まぶたの腫れや、白目がブヨブヨになる結膜浮腫、強い充血、強い痛み、視力の低下などの症状を引き起こします。
その他では、発熱、全身倦怠感、頭痛、悪心などの症状がみられる場合もあります。

眼窩蜂窩織炎の治療

治療は、主に抗生物質の点滴などを行なって症状を抑えると同時に、速やかに発症の原因となった疾患の治療を行うことが大切です。


マイボーム腺梗塞

マイボーム腺梗塞とは

マイボーム腺梗塞とは、マイボーム腺という皮脂の分泌管に脂が蓄積し、白色の固まりを作る症状です。
分泌管の出口がこの固まりで詰まると、まつ毛の部分に白い塊が見えるようになります。
主な原因は、加齢による皮脂の分泌能力の低下や、動物性脂肪の摂取過多などと考えられています。また、女性のアイメイクも原因になることがあるとされています。

マイボーム腺梗塞の症状

マイボーム腺梗塞を発症すると、まぶたのふちに小さくて白い塊が見られるようになりますが、小さい場合は特に自覚症状はありません。
ただし、大きくなると異物感を感じるようになります。
また、麦粒腫や霰粒腫などを引き起こしたり、まぶたの腫れや炎症を起こしたりすることもあります。

ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)

マイボーム腺梗塞の治療

マイボーム腺梗塞は、白い塊が小さい時は、放置していても特に問題はありません。ただし、大きくなったら、治療によって切開したのちに、ピンセットで内容物を押し出します。
治療後は、状態を見ながら数日間抗菌剤の点眼をしていただくことがあります。
なお、マイボーム腺梗塞が出来やすい方は、蒸しタオルをまぶたの上に10分間ほど乗せておくと、脂の流れが良くなってマイボーム腺梗塞の予防になります。